はじめに
農業経営において、設備投資・規模拡大・運転資金の確保は避けて通れません。
その際、多くの方が活用するのが
日本政策金融公庫(農林水産事業)や国民生活事業の融資制度です。
しかし、
「申請すれば通る」
「補助金と同じ感覚」
で進めると、審査で止まるケースも少なくありません。
本記事では、農業分野で公庫融資を受ける際の重要な注意点を専門的に解説します。
農業融資の特徴とは?
まず前提として、農業融資は一般事業融資と視点が異なります。
金融機関が見るポイントは以下です。
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経営の継続性
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収益の安定性
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補助金依存度
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技術力・営農実績
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将来の販路
つまり、**「作れるか」よりも「売れて回収できるか」**が重視されます。
農業公庫融資で特に注意すべきポイント
① 経営実績が弱い場合のリスク
創業間もない農家や新規就農者の場合、
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売上実績が少ない
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収量が安定していない
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単価が読めない
というリスクがあります。
対策
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出荷契約書の提示
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JAや卸との取引証明
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直販・EC販売計画の明示
「売れる根拠」を数字で示すことが重要です。
② 設備投資過多に注意
農業では以下の投資が大きくなりがちです。
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ビニールハウス
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トラクター
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選果機
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冷蔵設備
しかし、
設備が立派でも、キャッシュが回らなければ意味がありません。
金融機関は「返済原資」を見ます。
✔ チェックすべき指標
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減価償却前利益
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年間返済額とのバランス
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運転資金の余力
設備先行型計画は要注意です。
③ 天候リスクの説明不足
農業特有のリスクとして、
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台風
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豪雨
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猛暑
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病害虫
があります。
公庫はここを必ず質問します。
必須説明項目
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作物の分散
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作期の分散
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農業共済加入状況
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ハウス化の割合
リスク管理が甘いと評価は下がります。
④ 補助金前提の資金計画
よくある誤りは、
「補助金が入る前提で返済計画を組む」
補助金は採択保証がありません。
融資審査では、補助金なしでも成立する計画が望まれます。
⑤ 家計と事業の混同
個人農家の場合、生活費と事業費が混ざりやすい傾向があります。
金融機関はここを非常に厳しく見ます。
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生活費の明確化
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家計収支表の整理
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役員貸付・事業主貸の整理
ここが曖昧だと、管理能力を疑われます。
農業融資で評価されるポイント
✔ 収支シミュレーションが具体的
✔ 販路が確定している
✔ リスク分散ができている
✔ 自己資金が一定ある
✔ 税務申告が適正
農業は「夢」だけでは通りません。
計画と数字がすべてです。
よくある不承認事例
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売上根拠が曖昧
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借入過多
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税金未納
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収支予測が楽観的
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経営計画が抽象的
特に「なんとかなる」は金融機関では通用しません。
まとめ
農業の公庫融資は、
✔ 販売計画
✔ キャッシュフロー
✔ リスク管理
この3点が成否を分けます。
設備の規模よりも、返済できる論理構造が重要です。
行政書士法人テンポートでは、
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公庫融資サポート
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事業計画書作成
-
補助金併用戦略
-
資金調達設計
まで一貫して支援しています。
農業経営は長期戦です。
焦らず、でも戦略的にいきましょう。
