はじめに
飲食店の開業資金では、
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日本政策金融公庫
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信用金庫・地方銀行
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制度融資(保証協会付き)
を組み合わせた協調融資が選択肢になります。
自己資金が少なめの場合や、設備投資が大きい場合には有効です。
しかし――
開業融資で協調を選ぶ場合、最大の敵は「時間」です。
協調融資とは?
簡単に言えば、
複数の金融機関が同時に融資を行う仕組みです。
例:
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公庫:1,000万円
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信用金庫:800万円(保証協会付き)
リスクを分散するため、金融機関側にもメリットがあります。
【デメリット】開業時に注意すべき点
① とにかく時間がかかる
協調融資は、
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それぞれの審査
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情報共有
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保証協会審査
が発生します。
単独公庫融資よりも2〜4週間長くなるケースも珍しくありません。
飲食店の場合、
「物件は待ってくれない」
これが最大の問題です。
② 物件が取られてしまうリスク
飲食店は立地が命。
融資待ちの間に、
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他の申込者に契約される
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家主が別テナントを優先する
という事態が起きます。
特に居抜き物件は回転が早いです。
③ 調整コストが高い
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金額配分
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返済期間
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据置期間
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担保の有無
これらを各金融機関と調整します。
実務的にはかなり神経を使います。
④ 審査基準が“より厳格”になる
協調になると、
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事業計画の整合性
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売上根拠
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自己資金の妥当性
がより精密にチェックされます。
「なんとなく通る」はまずありません。
【メリット】協調融資の強み
① 調達可能額が増える
単独では1,000万円でも、
協調なら1,800万円〜2,000万円に拡大可能なケースも。
厨房設備や内装に余裕が生まれます。
② 金融機関との関係構築
地元金融機関との取引実績ができます。
将来の2店舗目・運転資金に有利です。
③ 金利バランスが取れる
公庫は比較的低金利、
制度融資は保証料込み。
組み合わせることで全体最適が可能。
開業融資で協調が向いているケース
✔ 総投資額が2,000万円超
✔ 自己資金がやや不足
✔ 将来2店舗目を見据えている
✔ 地域密着型経営を想定
向いていないケース
❌ 物件が早期契約必須
❌ 小規模(1,000万円未満)
❌ オープン時期が迫っている
この場合は公庫単独の方がスピード重視で合理的です。
実務上の成功パターン
Step1:事前に金融機関へ根回し
Step2:物件仮押さえ(停止条件付き契約)
Step3:同時並行で審査開始
Step4:資金実行タイミングを合わせる
この設計が重要です。
まとめ
飲食店の協調融資は、
✔ 調達額アップという武器
✔ しかし時間リスクという弱点
があります。
開業時は特に、
「スピード」か「調達額」か
の判断が重要です。
感覚で決めると危険です。
行政書士法人テンポートでは、
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公庫単独融資
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協調融資設計
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制度融資対策
-
金融機関交渉サポート
まで一貫対応しています。
物件を守るか、調達額を最大化するか。
戦略で決めましょう。
