失敗しやすいポイントと開業前に押さえたい注意点を解説
居酒屋を開業したいと考えたとき、まず思い浮かぶのは、料理、メニュー、内装、立地ではないでしょうか。
もちろんそれらは大切ですが、実際の開業では、それ以上に資金計画、物件選び、許可・届出、人材確保など、見落とすと危険なポイントがいくつもあります。
「料理には自信がある」
「知人から応援してもらえそう」
「駅前でよさそうな物件が見つかった」
こうした前向きな材料があっても、準備不足のまま進めてしまうと、開業後すぐに資金繰りが苦しくなることがあります。
今回は、居酒屋開業で知らないと危険なポイントを、わかりやすく解説します。
1. 居酒屋開業で必要になる主な資金
居酒屋を開業する際には、主に次のような費用が必要になります。
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物件取得費
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内装工事費
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厨房機器、冷蔵庫、製氷機、シンクなどの設備費
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テーブル、椅子、食器、備品などの購入費
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広告宣伝費
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酒類、食材の仕入費
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当面の運転資金(家賃、人件費、光熱費など)
特に居酒屋は、開業前にまとまった資金が必要になる一方で、開業直後から売上が安定するとは限りません。
そのため、開業資金だけでなく、開業後の運転資金まで含めて計画することが重要です。
内装に気合いを入れすぎて、オープン初月から通帳が真顔になる、これは避けたいところです。
2. 知らないと危険なポイント①
自己資金と運転資金の考え方が甘い
居酒屋開業でよくあるのが、初期費用ばかりに目が向いて、運転資金の準備が足りないケースです。
たとえば、
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物件契約と内装で予算を使い切る
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開業後の家賃、人件費、仕入を十分に見込んでいない
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売上が安定するまでの期間を短く見すぎている
こうした状態だと、開業後にすぐ資金繰りが厳しくなることがあります。
居酒屋は、オープンしたらすぐ毎日満席、というわけにはいきません。
最初の数か月をどう乗り切るかまで含めて考える必要があります。
3. 知らないと危険なポイント②
物件を先に契約してしまう
開業準備では、「いい物件を見つけたから、とりあえず押さえたい」と考えがちです。
ですが、物件は勢いで決めると危険です。
特に確認が必要なのは、次のような点です。
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その場所で飲食店営業がしやすいか
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用途地域に問題がないか
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深夜営業を予定している場合に支障がないか
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排気、ダクト、消防設備に問題がないか
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前テナントの業態と現状設備が合っているか
物件契約を先にしてしまい、後から「想定していた営業ができない」「追加工事が多額になる」と判明することもあります。
物件選びは、家賃だけで決めないことが大切です。
4. 知らないと危険なポイント③
許可・届出を軽く見てしまう
居酒屋を開業するには、基本的に飲食店営業許可が必要です。
さらに、営業形態によっては、ほかの届出や確認も必要になります。
たとえば、
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深夜0時以降に酒類を提供する場合
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防火管理や消防関係の対応が必要な場合
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食品衛生責任者の設置が必要な場合
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酒類提供に関する整理が必要な場合
このあたりを曖昧にしたまま進めると、開業スケジュールがずれたり、予定どおり営業できなかったりすることがあります。
特に、深夜営業を予定している居酒屋は注意が必要です。
保健所の許可だけで終わりではないケースがあります。
5. 知らないと危険なポイント④
売上予測が甘い
居酒屋開業では、売上見込みが楽観的すぎることが大きな失敗要因になります。
たとえば、
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席数に対して来店率を高く見すぎている
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客単価を相場より高く設定している
-
平日も週末並みに入る前提にしている
-
回転率を過大に見込んでいる
このような計画は、実際の経営とズレやすくなります。
売上は、
席数、客単価、回転数、営業日数、立地、競合状況などを踏まえて、現実的に組み立てる必要があります。
融資でも経営でも、夢を見るのは自由ですが、数字まで夢を見ると危険です。
6. 知らないと危険なポイント⑤
人件費を軽く見てしまう
居酒屋経営では、人件費が大きな負担になることがあります。
特に夜営業が中心になるため、アルバイトの確保やシフト管理が重要です。
注意したいのは、
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想定より人が集まらない
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時給を上げないと採用できない
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教育に時間がかかる
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オーナー自身が現場に入り続けないと回らない
こうした問題です。
開業前は「最初は自分で回せる」と考える方も多いですが、長時間営業を続けると、体力面でも経営面でも負担が大きくなります。
人の問題は、売上の問題と直結するため、かなり重要です。
7. 知らないと危険なポイント⑥
仕入れと原価管理が曖昧
居酒屋は、売上が上がっても利益が残らなければ意味がありません。
そのため、原価管理がとても重要です。
よくあるのは、
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メニューごとの原価を把握していない
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人気メニューほど利益が薄い
-
酒類や食材ロスが多い
-
仕入先の比較ができていない
というケースです。
開業時はメニュー作りに力が入りやすいですが、見た目や話題性だけでなく、利益が出る構成になっているかを確認する必要があります。
おいしいだけでは経営は続きません。悲しいですが、レモンサワーも利益計算からは逃げられません。
8. 知らないと危険なポイント⑦
融資を受ける前提の計画が弱い
居酒屋開業では、日本政策金融公庫などの創業融資を利用する方も多いです。
ただし、融資は「申込めば通る」ものではありません。
見られやすいのは、次のような点です。
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自己資金の有無と準備の経緯
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飲食業での経験
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事業計画の具体性
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売上・経費・返済計画の整合性
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資金使途の明確さ
つまり、居酒屋をやりたい気持ちだけでなく、経営として成り立つ計画が必要です。
飲食経験があっても、計画が雑だと審査では弱くなります。
逆に、経験年数だけでなく、数字と根拠がしっかりしていれば評価されやすくなります。
9. 居酒屋開業前に準備しておきたいこと
開業前には、少なくとも次の点を整理しておくことが大切です。
1. 必要資金の全体像を把握する
物件取得費、内装、設備、広告、運転資金まで一覧化する
2. 売上計画を現実的に作る
席数、客単価、営業日数などから根拠ある数字を出す
3. 許可・届出を確認する
飲食店営業許可、深夜営業の届出、消防関係などを整理する
4. 物件の法的・設備的チェックをする
用途地域、設備、ダクト、消防などを確認する
5. 事業計画書を作り込む
融資にも開業後の経営にも耐えられる内容にする
10. 専門家に相談するメリット
居酒屋開業では、物件、許可、融資、資金計画など、検討すべきことが多くあります。
そのため、事前に専門家へ相談しておくと、次のようなメリットがあります。
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開業資金の考え方を整理できる
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融資に向けた事業計画書を整えられる
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物件選びの注意点を確認できる
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許可や届出の流れを把握できる
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開業スケジュールを組みやすい
開業は、始める前の準備でかなり差が出ます。
スタート時点で土台がぐらつくと、その後の立て直しはなかなか大変です。
11. まとめ
居酒屋開業では、料理や接客だけでなく、
資金計画、物件選び、許可・届出、売上予測、人件費管理まで含めて準備することが重要です。
特に注意したいのは、次のようなポイントです。
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運転資金の見込みが甘い
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物件を先に契約してしまう
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許可や届出を軽く見てしまう
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売上計画が楽観的すぎる
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人件費や原価管理が曖昧
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融資の準備が不十分
居酒屋開業は夢のある挑戦ですが、準備不足のまま進めると危険です。
だからこそ、開業前にしっかり確認し、数字と手続を整理しておくことが成功のカギになります。
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